伝統を未来へ継ぐ「大崎耕土」|宮城県大崎市の米農家が語る世界農業遺産の価値(広報誌ふれあい2024秋号) 

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2024年10月31日
ふれあい誌 大崎耕土 世界農業遺産 生きた遺産
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宮城県大崎市に広がる「大崎耕土」は、厳しい自然環境の中で人々が工夫を凝らし、持続可能な水田農業を長く続けてきた歴史ある地域です。大崎耕土の伝統的な水管理システムは稲作と自然環境が共生し、多様な生物が共存する豊かな生態系を守っています。大崎市の米農家・小野寺ひかるさんは、農業体験や地域保全活動を大切に、次世代にこの貴重な「生きた遺産」を伝え続けています。

「大崎耕土」宮城県大崎市の米農家が語る世界農業遺産の価値 

広報誌ふれあいの秋号のご紹介をします。

P.14~P.16 拡大PDF全ページを見る

・厳しい自然環境と共生する水田農業

・田を作り稲を育ててもらう

・世界農業遺産により発信の機会がふえた

宮城県北西部に位置する大崎地域は、厳しい自然環境のなかで水田農業地帯として発展してきた歴史のある地域です。環境と共生しながらの持続的な取組が世界農業遺産に認定された「大崎耕土」について、同市の米農家、雁音農業開発有限会社の小野寺ひかるさんにお話しをお伺いしました。

 

>>> 今後の農業支援や体験交流については、こちらからご覧ください!

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厳しい自然環境と共生する水田農業

宮城県大崎地域は、季節風「やませ」による冷害や地形的な渇水・洪水などの厳しい自然環境下にありながら、米どころとして発展してきた歴史のある地域です。人々が工夫を凝らしてつくりあげた地域の在り方は、持続可能な水田農業・生物多様性・美しく機能的な農村景観・文化が一体となった、未来に残すべき「生きた遺産」として評価され、2017年に「持続可能な水田農業を支える大崎耕土の伝統的水管理システム」として、世界農業遺産に認定されました。

「ここは、江合川と鳴瀬川の2つの河川流域に広がる米どころ。子どもたちには、チグリス川とユーフラテス川の流域で農耕が発展した歴史に重ねて、『メソポタミア文明と同じだよ』って、教えています」そう話すのは、大崎市で米農家を営む、雁音農産開発有限会社の小野寺ひかるさんです。ひかるさんは、田植えや稲刈り の農業体験を提供しながら大崎耕土の役割 や保全について発信する活動もしています。

農業支援・援農・ 体験交流企画

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田を作り稲を育ててもらう

ひかるさんの義父で、米作りを長年続ける小野寺實彦さんは大崎耕土について「昔から『米を作る』とは言わず『田を作る』といったもの。私たちは、稲と自然環境を調和させて、稲を導くのが仕事です。

米を作るのは稲の生命力で、稲を育てるのは田んぼやそこにいる生き物たちです。ここは幸運にも、稲と自然と人間が絶妙なバランスで共存しており、さまざまな人々が懸命に守る活動を続けてきた延長線上に、世界農業遺産がありました」と、話します。

毎年冬にはシベリアから天然記念物のマガンや白鳥が越冬のために飛来し、大崎地域の田んぼは、鳥たちの貴重な餌場となります。農薬で生き物を排除するのではなく、害虫を土着の天敵が捕食して抑制しながら自然共生力を高めることがブランド米の価値にもつながります。

農業支援・援農・ 体験交流企画

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世界農業遺産により発信の機会がふえた

「世界農業遺産というフックができたことで、教育旅行受け入れなどの機会が増え ました。人が生きることが保全につながる、大崎耕土の魅力が子どもたちに伝われば」自然共生力を高めることがブランド米の価と、ひかるさん。

東京都内の小学校ではリモートで授業を行う活動もしており、「自然や農業に興味ない人にも、農業や生き物の尊さなど、何かを感じるきっかけを作りたくて。発信を続けることが大切だと思っています」と、この地域で環境共生の農業を続ける思いを語ってくれました。

農業支援・援農・ 体験交流企画

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