「おいしい」がつむぐ物語:京都・京北で出会う、畑と鶏への愛情 【わたしの楽園】

つながる。
2025年04月18日
わたしの楽園 平飼い卵 耕作放棄地 京北地域
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今回は、京都府京北地域で農業を営む一人の男性の物語をご紹介します。

おいしいものを日常的に食べたい、という純粋な思いから農業の世界へ飛び込んだ吉田修也さん。彼の畑と鶏への愛情、そして地域農業への熱い思いに触れる旅へ。

「おいしい」を求めて、たどり着いた京北という舞台

ふれあいP.09~10 産直物語 拡大PDF全ページを見る

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・都市から山里へ:耕作放棄地を開墾した開拓者

・傾斜地と格闘:農業の現実的な大変さ

・鶏への愛情が育む、極上の「平飼い卵」

・一日に約1000個:手間暇かけて収穫される卵

・未来を見据えた挑戦:地域農業継続への熱い思い

・懐かしい風景を取り戻す:小規模畜産モデル構想

・おわりに

都市から山里へ:耕作放棄地を開墾した開拓者

吉田修也さんが農業の道を志し、約10年前に京都府京北地域に移住したのは、知人との縁がきっかけでした。美しい渓流や季節で色を変える山々など豊かな自然に囲まれている一方で、かつて豊かな実りを育んでいた畑は、人の手から離れ、荒れてしまっていました。吉田さんは、この5.5ヘクタールもの土地を自らの手で土壌改良するところから始め、「京農園よしだ」を開園しました。

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傾斜地と格闘:農業の現実的な大変さ

しかし、広大な土地すべてが平坦で作業しやすいわけではありませんでした。畦などの部分を除くと、実際に耕作できる面積は約1ヘクタール程度。しかも、畑は傾斜地にあり、特に夏の時期の草刈りは大変な重労働だったと吉田さんは語っています。自然を相手にする農業の現実的な大変さを肌で感じながらも、彼は耕作を続けました。

多品目栽培から主軸へ:平飼い卵への転換

以前は、少量多品目でさまざまな旬の野菜を栽培していましたが、現在は畑の規模を縮小し、養鶏を主軸としています。養鶏を始めたのは約3年前。平飼い卵の需要があることを知り、農業収入の安定化を図ることが大きな理由でした。変化を恐れず、地域のニーズに応える形で農業の形を変えていく柔軟さは、彼の強みです。

鶏への愛情が育む、極上の「平飼い卵」

ビニールハウスが鶏舎に:創意工夫の賜物

吉田さんの養鶏場は、かつて野菜の栽培に使っていたビニールハウスを改良したものです。慣れ親しんだ施設を鶏舎として再利用するあたりに、彼の創意工夫と農業への愛情が感じられます。新しいものをゼロから建てるのではなく、今あるものを活かす。これも持続可能な農業の形と言えるかもしれません。

純国産鶏あずさ約2,000羽:健康的に暮らす鶏たち

現在、京農園よしだでは、「純国産鶏あずさ」という品種の鶏を約2,000羽飼育しています。鶏舎の中で平飼いされており、自由に動き回り、地面で砂浴びをするなど、ストレスなく健康的に過ごしています。鶏たちがのびのびと暮らす様子を見ていると、自然と笑顔になります。

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一日に約1,000個:手間暇かけて収穫される卵

健康な鶏たちは、毎日美味しい卵を産んでくれます。京農園よしだでは、一日に約1,000個もの卵が収穫されています。一つ一つ手作業で集められる卵は、吉田さんの愛情がたっぷり詰まっています。

飼料が味の決め手:自家配合のこだわり

吉田さんの卵の美味しさの秘密は、飼料への徹底したこだわりです。京農園よしだのある弓削地区に隣接する山国地区の「お豆の里 山国さきがけセンター」から購入した飼料米に加え、京都市産の厳選されたおからやかちお粉を鶏たちに与えています。吉田さん自身が配合する飼料は香りが良く、それが味の良い卵につながるそうです。鶏の健康と卵の味は密接な関係があり、良い飼料とストレスのない環境が美味しい卵を産む秘訣です。

未来を見据えた挑戦:地域農業継続への熱い思い

飼料米が大活躍!耕作放棄地解消への貢献

吉田さんが養鶏に力を入れる背景には、地域の農業活性化に貢献したいという強い思いがあります。米の消費量が減少し、耕作放棄地が増える中で、養鶏の飼料米として年間20トンもの米を消費することは、周辺の農地を守ることに間接的に繋がると考えています。自身の農業が、地域の課題解決の一助となる。そんな大きな視点を持って農業に取り組んでいます。

水路問題と希望:飼料米生産への期待

田んぼに水を引くための水路の手入れをする人が減り、稲作の継続が難しくなっている現状は、京北地域が抱える深刻な課題の一つです。この状況に対し、飼料米の生産量が増えることが、地域の人々から歓迎されています。吉田さんの活動が、地域の希望となっているのです。

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懐かしい風景を取り戻す:小規模畜産モデル構想

懐かしい風景を取り戻す:小規模畜産モデル構想

吉田さんは、将来的には耕作放棄地を活用した小規模な畜産モデルを作ることも考えています。かつて子牛を育てる場所であった「牛子谷」という地名を持つ地域で、牛の飼育も始める予定です。地元の人が懐かしむ牛のいる風景を再び見たい、という温かい思いが、この新たな挑戦を後押ししています。

京北を「サードプレイス」に:都会と田舎をつなぐ場所

吉田さんは、京北を都会の人が田舎と感じられるような「サードプレイス」。つまり自宅でも職場でもない、心地よく過ごせる第三の場所にしたいと考えており、そのための基盤作りに励んでいます。農業体験やイベントを通して、 多くの人々に京北の魅力を伝えたいと考えています。

体験を通して感じる:食の背景にある物語

吉田さんは、「京北の恵みいっぱい!落花生収穫体験」といったイベントも実施しています。 このような体験は、農業の大変さと重要性を感じさせ、食材への感謝の念を呼び起こします 生産者の思いに触れ、自分で収穫したものを味わう生産者の思いに触れ、自分で収穫したものを味わう経験は 、私たちの食生活をさらに豊かにしてくれるでしょう。

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おわりに

京都府京北地域で農業を営む吉田修也さんは、「おいしいものを食べたい」という純粋な動機から始まり、耕作放棄地の再生、平飼い卵生産、そして地域農業の継続に貢献するという大きな目標に向かって絶え間なく努力しています。

この活動は、単に食料を生産するだけでなく、地域社会を活性化させ、人と自然を結びつける重要な役割を果たしています。

ぜひ一度京北を訪問し、話を直接聞き、育てた美味しい食べ物を味わいながら、地域の魅力を感じてください。

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